氷の姫君
暫く黙っている私をダルジェは眺めていた。

「別にいいたくないなら言う必要は無い。」

「え?」

「誰にでも言いたくないことはあるからな。」

そう言って遠くを眺めるダルジェ。
あなたにも言いたく無い事があるの?

「あの、いつか、話すからね。」

小声で呟く月華を眺めながらダルジェは考えていた。

この月華を思う感情はなんだ?
温かい、優しいような感情。

私にもこのような感情があったのだな。

「ああ。待っている。」

そう言って微笑むダルジェを見て月華は赤くなり下を向いてしまった。

・・・・・その笑顔反則でしょ。
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