眠れぬ夜は君のせい
「もったいぶるヒマがあるなら、早く答えたらどうですか?」

そう言った私に、
「ああ、そうだったね。

ごめんごめん」

衛藤さんが気を取り直した。

「ライラックの花言葉は、“初恋”って言うんだ」

「初、恋…?」

「そう、“初恋”」

衛藤さんが私に視線を向ける。

「30過ぎたって言うのに……遅過ぎるよね?」

フフッと、衛藤さんが笑う。

「しかも相手は年下。

おかしいよね?」

おかしい?

それはつまり…。
< 116 / 252 >

この作品をシェア

pagetop