眠れぬ夜は君のせい

├本気になった瞬間

「衛藤さんは…今の今まで、そう言うことがなかったんですか?」

そう聞いた私に、
「えっ?

それはどう言うこと?」

聞き返された。

この人の性格は計算か天然か。

「つまり…経験がない、ってことですか?」

「君は……何が言いたいのかね?」

ズイッと顔を近づける衛藤さんに対し、1歩後ろに下がる私。

「性についてのことを尋ねているのかい?」

「せ、性って…。

生々しい…」

そんなこと言った訳じゃないんだけど。
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