眠れぬ夜は君のせい
「そうだったね。

でもあの時は、萌波に私のことを知ってもらいたかったから。

知ってもらいたかったから、いろいろとしゃべった。

君に聞かれなかったとしても」

ニッと衛藤さんが笑った瞬間、風が吹く。

花の香りのする、甘い風が。

「失恋の痛手はそう簡単には治らないかも知れない。

けど、私は君に本気だ。

今まで出会って、関係を持った女たちよりも」

衛藤さんの瞳が、私を映す。

ウソも隠し事もできない、衛藤さんの瞳。
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