眠れぬ夜は君のせい
「萌波…」

本気に、なる。

本気に、させる。

「…衛藤、さん」

唇が触れる。

そっと、目を閉じる。

時間が止まる。

長い、長い時間。

どれくらい、そうしてたのだろう。

衛藤さんが唇を離した。

目を開けて、衛藤さんの顔を見る。

躰を引き寄せられたと思ったら、衛藤さんの胸の中。

「萌波…」

耳元で、衛藤さんが私の名前を呼ぶ。
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