眠れぬ夜は君のせい

├信じても、いい?

寝ても覚めても、考えるのは衛藤さんのことばかり。

思うのは、いつも衛藤さんのことばかり。

目を開けても、目を閉じても。

浮かぶのは、衛藤さん。


目を開ける。

「萌波」

目が合った瞬間、私の名前を呼ぶ衛藤さん。

手は、握られたまま。

「……夢じゃ、ないんでしょ?」

意識が消えないように、唇を動かす。

衛藤さんは首を傾げる。

「あなたがここにいて、私の手を握っていること」
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