眠れぬ夜は君のせい
キレイな、顔だった。

眠っているのかと思った。

「――敦仁さん」

呼んだ。

けど、目は開かない。

手に触れる。

いつも私の手を握っていた、大きな手。

温かかったはずなのに、冷たい。

「敦仁さん…。

私よ…?

萌波……よ?」

開かない。

触れてるはずなのに、温まらない。

突然過ぎた出来事だった。
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