眠れぬ夜は君のせい
いつものように私を家まで送った後、彼が事故に遭ったのは。

反対車線から現れた大型トラックが、彼の乗っていた車を直撃した。

そして彼は、亡くなった。

「敦仁さん…」

思いが通じたと言うのに。

自分の気持ちを言えたと言うのに。

確認しあったと言うのに。

なのに……彼は亡くなった。

「敦仁さん…」

泣いても帰ってこないことはわかってる。

泣いても時間が戻ってこないことはわかってる。

けど、あふれる涙は止めることができない。
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