眠れぬ夜は君のせい
楽しそうな顔でそう言ったヒロに、
「いいね、参加していい?」

「もちろん!」

ヒロは首を縦に振ってうなずいた。

忘れたかった。

別れた男のことなんて、さっさと頭の中から追い払いたかった。

どうなったって構わない。

だから、参加した。


場所は、小さな居酒屋さん。

「遅くなってすみませーん」

ヒロと一緒に店に入ると、メンバーが手をあげて席を教えてくれた。

5対5の合コン。

女性チームはわたしとヒロの席が空いていて、男性チームは全員そろっている。

何気に男性チームに視線を向けた時だった。
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