眠れぬ夜は君のせい
「いいよ」

その問いに、驚いた。

「そうするから、抜けたんでしょ?

だったら、岳の好きなようにすればいいわ」

自分が言ってること、わかってるのか?

藍子さんの目を見ると、切れ長のキレイな目は落ち着いていた。

ジョーダンだよ。

そう言って笑ってやりたいのに、できない。

俺は、兄貴の代わりかも知れないのに。

別れた兄貴の相手を俺がするって言うのに。

「岳?」

藍子さんが心配そうに声をかける。
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