眠れぬ夜は君のせい
いっそのこと、捨ててしまおう。

理性なんて、今日はなくていい。

「目、閉じて」

俺の言うことに、藍子さんは目を閉じた。

俺は、兄貴じゃないから。

心の中で、藍子さんにそう言った。

俺と兄貴は、違う。

兄貴と比べるくらいなら、俺のことなんて見なくていいから。

そっと、藍子さんの唇に自分の唇を重ねた。

兄貴がどんな風に、彼女を抱いてきたのかわからない。

俺は兄貴みたいに、うまくないから。

。+゚岳Side゚+。
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