眠れぬ夜は君のせい
「そんなことは……」

何かを言おうと谷田部が口を開くも、言葉が続かない。

「とにかく、明日から彼女を俺の専属として働かせる。

彼女に仕事を教えるのは俺だ。

それでいいな?」

俺の言うことに、メイド長と谷田部はようやく首を縦に振ってうなずいたのだった。


話を終わらせると、自分の部屋に戻った。

俺が部屋に足を踏み入れたとたん、それまでベッドに座っていた彼女が俺に視線を向けてきた。

黒目がキレイな二重の目は、うっかりしたら吸い込まれてしまいそうだ。

「たった今、話をつけてきた」

俺は彼女の前に歩み寄ると、彼女と目線をあわせた。
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