眠れぬ夜は君のせい
。+゚桜子Side゚+。

「今日は遅くなるんじゃなかったのか?」

急いで帰ってきた私に旦那――健次さんが言った。

「無理を言って、早めに切りあげてもらっちゃった」

笑いながら言う私に、
「そうか」

健次さんはそれだけ言うと、ソファーから立ちあがった。

そのまま私の横を通り過ぎると、バスルームの方に行く。

バタンと、ドアの閉まる音が大きく響いた。

「早く帰ってこいって言ったのは、そっちなのに…」

この寒い中、夜道を走って、帰ってきたと言うのに。

反応はこのざま。

いつから夫婦仲はこんなにも冷え切ってしまったのだろう。
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