眠れぬ夜は君のせい
桜子さんが、微笑む。

「いいよ、ありがとう」

春がきたのかと思った。

俺の目の前に、春がきたのかと。

「じゃあ、映画楽しみにしてます」

「絶対忘れないでよ?」

春のような、桜子さんの優しい微笑み。

彼女を、もっと知りたいと思った。

好きなものも、嫌いなものも、何もかも全部知りたいと思った。


あっという間に当日。

「映画すごくよかった〜」

「さっきからそればっかじゃないっすか」

映画を見終わった俺たちはマクドナルドで遅い夕飯を食べていた。
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