眠れぬ夜は君のせい
それは私も一緒だ。

私もあなたから離れない。

私もあなたのそばにずっといるから。

躰を離し、見つめ合う。

触れるだけのキスをする。

「さ、行きましょう」

桜介くんが指で涙をぬぐった。

「今すぐここから、出て行きましょう」

私はうなずく。

「俺…桜子さんが泣いたりしないように頑張ります。

桜子さんがいつでも笑えるように、頑張ります。

桜子さんに泣き顔は似合わないから。

いつも笑ってて欲しいから」
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