眠れぬ夜は君のせい
慌てたような谷田部の声と同時に、大きな音を立てながら足音がこちらに向かって近づいてきた。

バンッ!

一瞬ドアが壊れたのかと思ったが、それは違った。

「正宗様!?」

部屋に入ってきたのは章子だった。

「申し訳ありません、正宗様」

谷田部が章子の後ろにくると、頭を下げて謝罪をした。

「一体何をお考えなんですが!?」

章子がズカズカと大股で俺の前にきた。

椅子に座っている俺は、章子に見下ろされる格好になる。

「拾った女を正宗様専属のメイドとして雇ったなんて!」
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