眠れぬ夜は君のせい

├今まですまなかった

携帯電話が鳴る。

「誰から?」

桜子さんがキッチンから顔を出す。

ディスプレイを確認すると、瑠香から。

「友達からです」

俺は桜子さんにそう言うと、電話に出た。

「もしもし?」

「桜介!?」

何故か慌てているような瑠香の声。

「何だ、どうした?」

訳がわからない俺は尋ねる。

「桜子さんいる?」

「いるけど、だからどうした?

何があった?」

「桜子さんの旦那さんが自殺したって」
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