眠れぬ夜は君のせい
今はただ、あげはに触れたくて仕方がなかった。

あげはをこの躰に感じたくて仕方がなかった。

このまま、あげはと一緒に堕ちていいとさえ思った。

「――んっ…」

俺があげはに触れるたびに、シーツのうえで長い黒髪が踊った。

それは俺が触れれば触れるほど、加速する。

「――正宗、様…」

あげはが俺の名前を呼んだ。

不覚にも、俺の心臓がドキッと鳴る。

こんなことで喜ぶなんて、俺は相当なバカだ。

単純にもほどがある。

「――あげは…」

果てる瞬間、俺は彼女の名前を呼んだ。
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