ありのまま、愛すること。
毎日、母と対話をするようになったのは、30歳を目前にして、自分の家に自分が据えつけた仏壇を持つようになってからのこと。

自宅の和室に仏間をつくることが目標でした。

それ以来、朝晩の挨拶をつづけています。

仏壇の前に正座し、両の手のひらを合わせる。

最初に思うのは、感謝の念です。

今日、こうしてまた朝を迎えられる。新しい1日を生きることができる。

そういう感謝です。

母親がいるからこそ、自分がいま、こうして存在していられる、と。

朝の仏間は1日のスタートとして、私を鼓舞してくれる場所でもあります。

毎朝、向き合って、その日1日をイメージします。そこでスイッチが入るんです。

夜は、仕事が終われば書斎で日記を書き、そのあとに仏間に入って、その日をリセットする。そうして私の1日は終わっていきます。



母の愛情はいつも、感じています。

いつも愛してくれてありがとうございますと、やはり相談ではなく感謝の気持ちで祈りを捧げています。

ただし、いいことがあったときは、必ず報告します。

やっぱり、母親には自慢したいんです。

それは、褒められたかった10歳のころから、何も変わっていません。

「テストで100点取ったよ!」

というのとなにも変わらない感覚。

私は、母親に褒められたくて、実際ここまで頑張ってくることができたと思っているんです。



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