ありのまま、愛すること。
終始、「一人っ子で内向的な私を、みっちゃんがグイグイと引っ張ってくれるような」関係だったとチエ子さんは振り返るのです。

きっと、好対照な性格だからこそ、二人は母が亡くなるまで、唯一無二の親友でいられたのだと思います。

言うまでもなく美しい母ですが、チエ子さんに言わせれば、「男性から、とてもモテた」そうです。

しかし、快活で活発な、竹を割ったような性格の母も、ひとつのマイナスの要素をかかえていました。

それは腎臓の病です。

そのように青春を謳歌するなかでも、母はときに、腎臓病特有の症状を出すことがあったようです。

顔色が真っ黒になってしまい、手の関節も一時的に動かなくなることをチエ子さんは、何度か見ているそうで、学生時代にも入院した母を、チエ子さんは見舞ってくれています。

「明るくて真っ直ぐだったけれど、その点だけは人に言えない悩みだったのではないかしら」と、チエ子さんは話してくれました。
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