ありのまま、愛すること。
マザー・テレサに抱かれているのが、あたかも自分であるかのような不思議な感覚を持ったことを記憶しています。

幼いころの、母に抱かれているときの感触は、私にありありと残っていました。
温かい水のなかに浮かんでいるのですが、それが不思議と安心感のある感覚でした。

幼児に「お母さんのお腹のなかの記憶ある?」と聞くと、「あるよ」と答える場合があります。

ある子は、そのときの様子について、「水のなかにいるみたい」と答えることがあります。

「とってもあったかい水のなかで、ママが僕に話しかけてた」と。

それが実際に覚えている記憶なのか、人間の潜在意識のなせる業なのかは、ここでは大きな問題ではないと思います。

ところが、子どもが成長するにつれ、大人になっていくうちに、幼少時の記憶は薄れ、残念ながら忘れていってしまう場合が多い。

ただ、私に関して言えば、幼いころの母のお腹のなかにいるイメージというのは、完全な映像や音声のメモリーではないにせよ、ありありと残っているのです。

一言で言えば、それは「安心感」でした。
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