プリン・ア・ラ・モード
 ちょ、椎名?

「あぁ、言い忘れてたけど、俺、椎名グループの跡取り息子だから、変なことすんなよ」

 やっぱり、椎名グループの社長の息子だったぁぁ!!
 社長に顔そっくりだし!!

 あ。椎名グループって、ビジネスホテルを経営している会社なの。
 日本には10~15のホテルを持っていて、海外にも進出している、世界規模で有名な会社で、芸能人もたくさん泊まっているんだって。


「ってのは嘘」
 そこまで頭の中で考えていると、突然の彼の言葉。
 
「は?」
 
「半分嘘」

 はい?理解不能なんですけど。

「跡取り息子ではない。跡を継ぐのは兄貴」

 ふーん。まあでも、椎名グループの血は入っているわけね。

「でさ、その話はいいから。こいつ、心当たりねぇ??」
 顎をしゃくって示した先には、さっき彼と話していた青年。
 私より年下かな?
 でも、顔が整っていてスタイルもいい。
 阿木と並んだらよく似合いそう。

「何かこいつ、アキっていう女子を探してるらしいぜ」

 あ、アキ?

「えっと、苗字は何だっけな?」
「鳴瀬。鳴瀬阿木」

 はいぃぃぃ!!!!
 

 
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