午睡は香を纏いて
「オルガの民ってのはさ、国民の大半には山賊と認識されていたんだ。
今でこそ邑を構えているけど、彼らは元々山岳民族で、山々を渡って暮らしてきたんだ。
国に属さず、独自のしきたりを持って秩序をとっていた族だ。
そのしきたりさえ守れば、犯罪人や逃亡者も受け入れたそうだ。
そのことが、『善良』な国民たちからしてみれば、違法集団に感じたんだな。畏怖対象だよ」


返事の代わりに頷いた。
犯罪人を受け入れる民族、と聞けば確かに怖いと思うだろう。


「リレトは命珠を作るために大量に人を殺す必要があったと言ったよな?
下手に民の命を奪ったら、反感を買い、動きにくくなる。
しかし、アデライダは海に囲まれた孤国で、他国と戦争なんてそうそう起こらないし、その頃は内乱の火種になるような事案もなかった。
そこで、オルガに巣食う山賊だ。山賊討伐という名目があれば、民衆の支持を得られる。多くの命を得た上、責め苦を受けない。格好の的だな」


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