午睡は香を纏いて
なるほど、と思う。

でも、卑怯だ。

あたしの知ってるオルガの人々は恐ろしい山賊なんかじゃない。
普通の優しい人たちだ。
その人たちを襲っておいて、しかも悪者にするなんて。


「オルガ討伐を成功させたリレトは時の勇者だった。
四等神官から一等神官への異例の大昇格。
いずれは大神武官にもなるだろう、と言われて、今じゃ大神武官補佐様だ。

リレトの昇格式の盛り上がりようったらなかったよ。
これから先、自分たちも一人、また一人とリレトの命の糧にされるっていうのにな。
知らないっていうのは、恐ろしい」


命を奪った人を崇める人もまた、奪われる対象。
もやもやとした不快感が広がって、それを吐き出すように大きく息をついた。
カインも椅子の背もたれに体を預け、ふ、と肩で息を吐く。
ほんの少しの沈黙のあと、カインが口を開いた。


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