午睡は香を纏いて
気負っていたのに、行かないの?


「ヘヴェナ家の屋敷には、明日伺うように手配してある。窺見の報告だけではなく、この目で現状も見たいし、今日は市内を回る。それに」



カインがふい、とブランカ方向に顔を向けた。


「捕らえられたかもしれない友人について、早く調べたほうがいいだろう」

「あ……」


ちゃんと考えてくれてたんだ。
つん、と背けられた横顔に頭を下げた。


「あの、ありがとう、カイン」

「ゼフ、だ。間違えるな」

「あ、はい。ごめんなさい、ゼフさん」

「ああ。じゃあ、行こうか。セルファ先生?」


カインの言葉に、セルファがにんまりと笑った。


「うわ、カインから先生だなんて、気持ちいーなー。楽しいなー」

「先生、へらへらしてないで早く行くぞ」

「うわ、かわいくない弟子だな、おい」


並んで歩き出す二人の後を追った。


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