午睡は香を纏いて
カインに視線をやると、考え込むように顎に手をあてていた。
どういう意味だろう、と思っているあたしと違い、セルファには呟きの意図が分かったらしい。
す、と笑みをひいた。


「みたいだね」

「維持するだけなら増やす必要はない。となれば、どこかで大きな術を使ったはずだ。いや、これから使おうとしてるのかもしれないな」

「術、か。例えばどんなものが思いつくの?」

「大量の人間を転送、いや、距離をとるのかもしれないな。治癒、もあるか。貴族、王族の依頼ならば断らないだろうしな」

「あ、あのう……」


おずおずと声を発した。


「あの、さっきのシルヴェーヌさんの言ってた話、してるの? あたし、よくわかんないんだけど、ええと、教えてくれるかな?」


カインとセルファが顔を見合わせた。
二人とも言い躊躇うように互いを窺っている。

訊いてはいけないことだったのだろうか。
でも、知らないままでいてはいけないような気がする。
シルヴェーヌさんの言ったことも気になるし。

少しの沈黙のあと、カインがため息をついた。
言葉を選ぶように、ゆっくりと話す。


「知らないですむのなら、そのほうがいいかもしれないと言ったら?」

「でも、知っておいほうがいいってシルヴェーヌさんが言ったよね?
教えてもらえないの?」

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