紅蒼ノ魔女(仮)

心情

外に出るとトラが待っていた。



「行くのね?」


「うん。」


「…本当のことを言わなくても良かったの?」


「いいんだ。

行こう。」



目的地は僕が最初についた草原。


戦争はそこで行われる。



「森を通って紅魔女が集まっていたところに寄りながら行く。

もう移動してしまった後かもしれないけど。」



でもおそらく草原に近い場所に移動したはずだから、それなら遅くても会えるだろう。


できたら蒼魔女の頂にも会っておきたい。


みんなで集まって話し合えるのが一番いいが…


それは無理だよね。


表面上は敵対関係にあるんだ。


バレるようなへまはしないだろう。


まぁ最終的には全部バラすつもりでいるんだけどね。




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森に入ると今までとは違った空気を感じた。


風で揺られているだけの木々が何かを訴えているような気がした。


自然もこれから起こる出来事に、不安や怯えを感じているのかもしれない。


大丈夫。


僕が止めるよ。


そっと木を撫でた。



「不調はなおったの?」



ふいにトラがきいてきた。



「まぁね。

なんなら試してみる?」



右手を顔の横まであげ、魔銃を出すふりをする。



「いえ、いいわ。」


「そう?」



あげていた腕をおろす。


今なら百発百中する自信がある。


折角だから見てもらいたかったという気持ちもあって、なんだか残念だ。



「明らかに雰囲気が変わってる。

何か吹っ切れたようね。」



よく見ていらっしゃる。


さすが頂に仕えていただけあるね。


…関係ないかもしれないけど。



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