四王寺学園記
いろんな意味で、そう言い足して薫は岬の肩を叩いた。
「はぁ…薫もメイクとか上手いよね。岬ちゃんも。なんで皆そんなに出来るの?難しいじゃん、メイク。」
「アンタの下手さは論外だよ。ろ・ん・が・い。どうやったらあたしがちょっと目を離した隙におかめさんみたいなメイクになるの?意味分かんないし、普通の人には出来ないよ。」
はっきりと言いきった。
「そんなに楓ちゃんはメイクが苦手なんですか?」
「そうでもな「そうだよ。ある意味芸術的。」
そうでもない、と言おうとした楓を薫がさえぎった。さえぎられた楓はぶすくれる。
「か、楓ちゃん…お化粧は練習あるのみですから。私で良ければ後でお教えしますよ?」
「…いいの!?」
岬は楓が不憫に思えたので声をかけた。するともうキラキラ、キラッキラした目でいいの!?と言われた。今まで誰も教えてくれなかったのだろうか。いや、教えてくれなかったからこそのそのメイクの腕なのだろうか。
「で、楓はペア決まった?」
思い出したように薫が聞いた。
「ううん。そういう薫は?」
「私はいないよ。何人かから誘われたんだけど…やっぱり知らない人って嫌だし。」
「そっか、そうだよね。」