金星
「あのさ……加奈」


「うん、知ってるよ」


「え?」


「だってタケルくんとメールしてても、優奈の話題しか出てこないんだもん」


メニューを見ながら、加奈は少しいじけた風な口調で言った。


「あの……」


「だから、タケルくんのこと、好きってより、まだ気になるレベルってあたし言ったじゃん。優奈はあたしに何も悪く思わなくていいんだよ」


「加奈ぁ……あたし……」


気がつくと、あたしは泣いていた。

最近涙もろいなぁ。


「よしよし、それより優奈、ちゃんと彼氏とのこと話して」


「うぅ……まずミラノ風ドリア食べるぅ」
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