金星

卵焼きの他にも、レトルトのご飯を茶碗に盛ったものと、

わかめとなめこの味噌汁、ヨーグルト。


カウンターは狭いため、テレビの前のガラステーブルにそれらは並べられていた。


「ふーん、美味いじゃん。ちょっとコショウ効きすぎな気もするけど」


とくダネを眺めながら、優奈の作った朝ごはんを食べる。


「そーお? てか他にも食材あったらもっといいの作れるのに~」


すっぴんで、目の周りも腫れているけど、

キッチンで料理を作っていた優奈は普段より可愛く見えた。


「これからどうしよっかなー」


味噌汁を飲みながら、ふと優奈がそう呟く。


「あ? 俺の家しばらくいていーよ。その代わり飯は頼んだ」

「いや、それは悪いよ~。ご飯は作れるけど」


これか?

人に心配かけさせないような態度取ってるっていうの。
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