甘い罠
そう確信した私は秀にぃちゃんに麗と庵に聞こえないように今の状況を説明する。
「あ、あのね…実は…麗と庵が今、部屋に居てね…。その…上半身裸?みたいな?」
『…は?姫華、二人と何してんだ。』
秀にぃちゃんは怒った口調。
「何もしてない!何か…朝起きたら両隣に居た「はぃはぃ~。姫華、何言ってんの?」」
―――っ!
いきなり後ろから抱きつかれて驚き、勢いよく振り向くと…
私の携帯を持った庵が私に抱きついていた。
「ちょっと!返してっ!!さっきも言ったけど今、秀にぃちゃんと話中なんだから!」
そう言いながら庵の手に捕まっている携帯目掛けて手を伸ばす。