甘い罠
取り敢えず…
服着よう。
自分の服がその辺に落ちてないか探す。
無いし…。
取り敢えず、その辺にあった誰かの服を着る。
デカっ!
手、隠れるし…。
まぁ、いっか。
…っていうか…
起こした方がぃぃのかな?
そう思いながら麗と庵の顔を交互に見つめる。
うん。さすが兄弟。
やっぱり似てるね。
整った眉、私より長い睫毛、通った鼻、潤った唇、尖った顎。
唯一、違う処といえば―――
髪の色ぐらいかな。
麗はキャラメルの色。
庵はピンクが薄く入ったブラウン。
…個性的な色なのに似合ってしまうのが凄いと思う…。