Blood smell 2
「…大丈夫だ。」


修二がそっと私の肩を抱いた
そして
初めて自分が震えていた事に気がついた


もう片方の修二の手が
にぎりしめた拳に重なる



「大丈夫…
何があっても守るから。」


見上げた先にあったのは
優しい笑顔…


な?


と小首をかしげる姿に
思わず頷いた




でもね…修二…



私は知ってるよ


その笑顔の向こうに
修二がたくさんの想いを抱えていること
苦悩や恐怖を隠している事


私は
修二の手を握り返した


「私も修二を守るから。」


一瞬だけ驚いたように目を見開いた修二は
すぐに困ったように
でも…嬉しそうに頷いてくれた
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