Blood smell 2
そして
修二は気を取り直したように
学園長先生に向かいあう


「数週間前つてことは
もう近くまで来ている可能性がある。」



「ああ。居場所が分かっている以上
下手に動くようなことはせず
きっと固まって動いているだろう。

…もしくは機会を待っているか…。」


学園長先生の言葉に
思わず窓の外の植え込みを見てしまい
ゾクリと背筋が震えた


機会を待っている…


その機会って…

私を殺すための機会…?



「どうする…?
ここの居場所はバレてるし…
俺たちのマンションもきっと時間の問題…
いや、もしかしたら
もう知られてるかもしれない。」


「…。」


息詰まった部屋に
ふわり…と甘い香りが入る


「それなら、いい考えがあるの。」


入っていたのは愛子さんで
手に持たれた銀のトレーの上には
一組の紅茶セットと
色とりどりのマカロンが並んでいた







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