Blood smell 2
「さぁあ
中に入りましょう。」


長い事使われていなかったその家は
ほこりや塵、くもの巣に満ちていたが

中は意外とキレイで
家具や装飾品は昔のまま美しい姿を保っていた


「なかなか良いじゃないか。
掃除をすればすぐに使えるようになる。」


暖炉に火をおこす学園長先生は
なんだか上機嫌で

愛子さんは早速キッチンの片付けに入っていた



そして
私たちはそのログハウスで生活を始めた











みんな本当はわかっていたの…


いつまでも逃げてはいられない事



いつかは


追ってくる彼らと対峙しなければならない事



それでも


今はいつ来るかわからない恐怖に
怯える時間よりも


家族で過ごす
楽しい時間が大切に思えたんだ
< 25 / 62 >

この作品をシェア

pagetop