魔法学園ユートピア
食後

「さて、昼寝でもするか。」

「午後の授業、寝過ごしますわよ?

教師が授業初日を寝過ごすなんて、」

「授業が入ってねぇからいいんだよ。」

「あの、先生は先生じゃないんですよね?」

石動が訊ねる。

「哲学か?」

「そうじゃなくて、まだ18だって教員紹介の紙に。」

「そんなの作られてんのか。」

「新入生に配られた学校案内書ですわ。」

「まぁ、魔法の教員免許がないからだが、一応は教師だ。」

「確かに、そうですわね。」

「魔法の授業、楽しみです。」

石動が言う。

「俺も初心者だがな。」

トレイを下げようと立ち上がった幸大はとある生徒を見つけ、神宮寺の後ろに隠れた。

「なんですの?」

「知り合いだ。

しかも、危険な。」

「どの方ですの?」

「髪の長い気の強そうながさつな感じの女と、その前にいる背の小さな少女だ。」

「いましたわ。

でも携帯をいじってますわ。」

幸大の携帯がなる。

「しまった。」

「幸大、いるのはわかってるわ。」


幸大が立ち上がる。

「まだ、間合いの外だ。

逃げれる。」

「逃げたら承知しないわ。」


「…。

よっ。」

軽く手を挙げて挨拶をした。
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