魔法学園ユートピア
「そんなネイティブな発音はどーでも良い。

とにかく。

俺はこの学園から去る気はない。」

「なぜですか?

魔法を教えたいなら我々が何とかして…」

「ちげーよ。」

「何が違うと?」


「この学園にいたいんじゃない。

ここに居なきゃいけないんだよ。」


「どういう意味ですか?」

「俺を選んでくれた奴等が笑って集まれる場所が必要だから、だ。」


「二月姉妹のことですか?」

「奈都と亜紀だけじゃない。

石動も狭山先生も、学園長とクリスも。


そして、決めた。

神宮寺も、だ。」

「何を決めたのか、具体的にお聞かせ願えますか?」

「つまり、今言ったこいつらに手を出したら、俺は貴様らを殺す。

法律なんか関係ねぇ。

解ったか?

人狼。」


「…。

人狼?

嫌ですね。

私はローマ聖教の…」

「お前の頭に桜の花びらがのってんだ。」

「…。これが何か?」

男は花びらを取りながら聞く。

「知らないのか?

摩天楼と俺は一心同体。


お前についていた桜の花びらから感じたんだよ。

人間とは違う何か。


あの狼男と同じ感覚だ。」


「…ばれましたか。

でき損ないだと聞いてましたが、それは噂のようだ。」

「いや。

まだ、はっきりとは解らない。

あくまでも感覚レベルだ。」


「ですが、バレたなら、貴方の処分担当だと言うこともついでに、

お知らせします!」


爪を起てた人狼が幸大に襲いかかる。


ドシャッ、

人狼が地面に叩きつけられた。

人狼は男の姿に戻った。

「この程度で俺の処分担当とか、管轄違いにも程がある。」


「くっ!

ですが、すでに二月姉妹に手は回ってますよ。」

「しぶといんだよ!」

ゴシャッ、

幸大は追い討ちをかけてから走り出した。
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