マイ・シュガーランド

まだククク…と、静かに笑い続ける彼にジロリと睨みをきかせる。


それから特に会話もなく、小さくラジオだけが流れる車内。


30分はあっという間にたち、彼が示したであろう場所に降りた。


「タクシー、初めてだったの?」


「――な!なんでですか?」


「挙動不審すぎ。
落ち着きないし、冬なのに汗かいてるし、車内を珍しそうに見てるし。」


―――この人、なんでも見透かしそうで怖い。



足早に歩く彼の後ろをトボトボとついて行く。


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