マイ・シュガーランド
「あいつ、ね…
出会った高校のときにはすでに一人暮らしして自立しててさ。
なにも知らなかったから、羨ましいなー、なんてからかってたけど…
あいつから聞かされた過去は・・
今、思い出しても胸が締め付けられる…」
支倉さんは、下を向いたままゆっくりと言葉を選びながら話す。
「俺やツトム、相方の赤津には少しずつ心を許してくれて・・
あともう一人…
あいつが心底、信頼した人がいたんだ。
長年、付き合った恋人だったんだけど…
その恋人にもかなり酷い裏切り方をされて。
もう…
あいつは誰にも心を許すことはないと思う。
俺たちにも・・」
「―――え…?」
視線が合うと、支倉さんは寂しそうに微笑んだ。
