白銀の翼~白銀の彫刻と金の瞳の乙女~
「いいわ…やってあげる

わよっ」

「リセラっ…」

いざという時に名を呼ばれ

リセラは思わずかくんと

体が傾いた。

「ロワ?」

「よかった。いたいた」

そう言いながら走って来る

のは、絶世の美女と言って

も誰も疑わない美少女

だった。

肩の上で揺れる茶髪は、

くるっと綺麗にクセに

なっていて、白く透き通る

肌。小さな顔には大きな

緑の瞳が輝いていた。

けれどその美しさは両腕に

繋がれた鎖が見た者に

不思議な感覚を与える。

ごく普通な容姿で生まれた

リセラは黒いと白い肌と

いう姿だった。

けれどその瞳は角度に

よって金色に淡く輝く。
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