時を分かつ
「貴方が、コウダイ?」

「そうだけど、あんたは?」

「失礼するわ。」

腕を掴み掌に数回丸を書いた。

「良いわよ。」

「一体何なんだ?」

「静かに、耳を澄ませてみて。」

言われた通りにする。


「コウダイ、聞こえる?」

「かな子?」

「今から話すことを聞いてほしいの。」

「ああ。」

「私は3日後、交通事故に遭うの。

それでこのままだと死んじゃうんだ。

だから、何とかしてほしいの。」

「何とか?」

「私にはどうしたら良いかわからないから。

ただね、私が必ず事故に遭わないといけないの。

そうじゃないと私はここに来れないから。」

「ん、何となくわかった。」

「お願い、コウダイを信じてるから。」


「質問がある。」

「何?」

「まず、今から、その事故が起きるまで、お前と一回でも会ったか?」

「ううん。」

「お前の3日間の行動が知りたい。」

「ほとんどは家と、大学だけ。

後は近くのコンビニ。」


「そうか。

それから、必ず事故に遭わないといけないけど、

お前が助かる可能性があるってことは、お前が死ぬ原因って何なんだ?」
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