こんなに好きなのにっ!!
その日、途中までリオ君に送ってもらった。



マンションのエレベータ。



乗り込んで部屋の階数を押した時。



「あっ…」

「悠…ちゃん…」

「よぉ…」

「うん…」



出来れば会いたくなかった人に密室で会ってしまった…。



幸せな気持ちが一気に冷めていくような…重苦しい空気…。



あたしの横を通り過ぎた悠ちゃんからはフワッと香水の匂い。



あの人の…匂いかな…。



「ケガ…したんだってな。大丈夫だったか?」

「うん!!なんとも…ない…」

「ユナ、俺さ…」

「あたしね!!彼氏できたんだ~。やっと悠ちゃんから卒業できるね!!」



もう迷惑かけたりワガママ言ったりしない。



だからコレ以上…。



「もう突き放さないで…」

「えっ…」

「悠ちゃんじゃなくて夏川先輩の方がいいかな?あっ、着いたね!!」

「おい、ユナ…」

「キレイな彼女さん、大事にしてね!!」

「…………あぁ」



吹っ切ればいい。



悠ちゃんのことは。



家に駆け込んで溢れた涙は…なかったことにするから。



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