夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story
そうか。


バカ健吾の親友である補欠が言うんだから、そうなのかもしれないな。


「健吾!」


両手をポケットに突っ込んで歩くその後ろ姿に、あたしは叫んだ。


「今日も部活がんばれよ! 明日も明後日も! 毎日がんばれよ!」


立ち止まり、健吾が振り向く。


はあ? 、と片眉をへの字にして。


「気持ちわりいな! 翠に頑張れって言われるなんてよう。こりゃあ、明日は槍が降るぞ」


そう言って、健吾は天井を見上げて、がっくり肩を落としたあととぼとぼと歩いて行ってしまった。


「槍とは失礼な」


「ぷくくく」


「笑うな、補欠。ぶっ飛ばすぞ」


「わり」


立ち尽くしているあたしと補欠を、下校していく生徒たちがスイスイ追い越して行く。


「じゃあ、また明日な。翠」


ポンとあたしの頭をはじいて、補欠は小走りで健吾を追い掛けて行った。











帰り道。


近所の河川敷にさしかかった時、夕日で輝く水面を見つめながら、結衣が口を開いた。


「なあ。やっぱさ、遠距離って難しいもんなのか?」



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