夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story
「はっ」


その隙をついて、あたしは這いつくばった。


ベッドの下を覗き込んで、手を突っ込んでゴソゴソ探った。


おかしいな。


無いじゃないか。


ドラマとか漫画だとたいがいはここが隠し場所なのに。


必死に探していると、補欠が笑いながら言った。


「バカめ。エロ本なんかねえよ」


「えっ! 無いのか!」


ガンッ……


ベッドの下に潜り込んでいたことをすっかり忘れて、


「あだーっ!」


思いっきり頭を上げて、後頭部を強打してしまった。


頭の中でお星様がメリーゴーランドのようにくるくる回る。


くうーっと痛みに耐えていると、


「何やってんだよー」


大丈夫か、と補欠が駆け寄ってきて、あたしを抱き起こした。


「……いってえー」


「わり。ちょっと触る」


補欠がそーっとあたしの後頭部に触れた。


「あー、できてる。たんこぶ」


「そうか……ってえなあ。こんちきしょう」


ちきしょう。


外れかよ。


あると思ったんだけどな。


エロ本。


補欠がクスクス笑いながら言った。


「ドラマとかに影響されすぎ。ベッドの下にエロ本とか、ベタだしな」


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