夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story
ふふ、と笑って濁す涼子さんは、またこりもせず、


「風邪引いちゃうよ」


ハンカチで今度はあたしの濡れた髪の毛を挟んで、ポンポン水気を吸い取った。


「まじでいいって。こんなのストーブで乾かすし」


「でも」


「つうか……超おせっかい」


「超おせっかいで結構」


フフ、と涼子さんは可笑しそうに笑った。


「翠ちゃんの髪の毛、綺麗だねー」


不思議な、摩訶不思議な気持ちになった。


不思議で、くすぐったくて、ちょっと胸がチクチクした。


数ヶ月前は涼子さんのことが邪魔で嫌いで、あたしと補欠の最大の障害物だと思っていたのに。


「私も一度くらい、金色に染めとくべきだったかなあ」


笑いながら、涼子さんは優しい手つきであたしの髪の毛をハンカチで押さえる。


あたしはただそこに突っ立って、涼子さんの顔を見つめた。


「ん?」


あたしのしつこい視線に気づき、涼子さんが首を傾げた。


「どうかした?」


「別に」


そっけなく答えて、あたしはそっぽを向いた。


第一号ライバルで、邪魔で嫌いで。



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