夏の空を仰ぐ花
我が、こよなく愛する父上さま。


「行ってきまーす!」


本日、大快晴であります。

「友達100万人でっきるべよーってか!」


この時のあたしはまだ、全然、知らなかった。


もうすでに、運命の赤い糸があたしをたぐり寄せていたことを。


その赤い糸は切なくて、苦しくて。


だけど、優しい光を放つ繊細な糸であることも。


知らなかった。


見上げた空は雲ひとつなく、どこまでも、どこまでも。


青空が広がっていた。











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