夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story
補欠の背後で、洋子と貴司がギョッとしていた。


「翠が……お前が本当は弱っちい女だってことくらい、分かってんだ」


「なっ……」


「おれは、お前の彼氏なんだぞ! 弱っちいことくらい分かってる」


ぐっと奥歯を噛んだ補欠の隣で、健吾がしゃんと背中を伸ばしていた。


いつもおちゃらけてばかりいる健吾が、真剣な顔であたしを見ていた。


「何だとー! 人を弱い者扱いすんな!」


あたしがずいっと詰め寄っても、補欠は一歩も引かず堂々としていた。


「強がってばっかだけど。本当は弱くて怖がりで。ただの女じゃねえか」


「何だ! けなしに来たのか!」


「自分が特別だなんて思ってんじゃねえぞ! どこにでもいる、ただの女じゃねえか!」


強がってんじゃねえよ、そう怒鳴って、補欠があたしの腕を掴んだ。



< 477 / 653 >

この作品をシェア

pagetop