夏の空を仰ぐ花 ~太陽が見てるからside story
怯えるネズミのように挙動不審の大輔に、明里が顔を近付ける。


「大輔」


「はい!」


「あたしの親友がピンチなんだよ。助けてくんないかな」


「はい?」


「だってさ、加賀っち。ジャンケンのトーナメント戦で一番最初に勝ってたじゃん」


と今度は結衣が詰め寄る。


威圧感たっぷりのふたりの板挟みになった大輔が、ハッとした顔であたしを見つめた。


「……まさか」


そう呟いたあと、大輔は頭をブンブン振った。


「ムリムリ! ムリだし!」


「何でや! 翠と代わってやれよ!」


「ムリムリ!」


「そんくらいいいべ!」


躍起になって、大輔を取り押さえる結衣を見て気付いた。


ホームルームで一番乗りでジャンケンを制し、大輔が野球を選択していたことを思い出した。


「あっ、なるほどね。結衣ちゃんも明里ちゃんも、頭いい!」


横で、マイペースなあっこが笑った。


「いやいやいや。代わってやりたいのはやまやまなんだけどさ」


でも、大輔はまだ首を横に振り、抵抗し続ける。


「翠はバスケだろ? おれ、激しいスポーツは苦手なんだよ」


バスケなんかやったことねえよ、と大輔が必死に訴える。


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