クローバー



「ちょっ…ちょっと待ちなさいって」



誰かの声が聞こえる



「待ってってっ」



誰かは断定ができる



でも



この顔は見られたくない



「ふざけんじゃないわよッ」



腕を掴まれた



「待ちなさいって聞こえないの?」



息を整えがら説教をされる



「ど…したの…みぅ…?」



「どうしたじゃないッ。こっち向きなさいよっ」



「はあ…意味…わかんないし…」



「何でもなかったらこっち向けるでしょ?」



「だから…何でもな…」



ガバッ−



肩を掴まれ、無理矢理顔を合わされる



「何でもないじゃないでしょ?何で泣いてんの?」



「…………」



「泣いてちゃ分かんないでしょ?」



「…………」



「果梨先輩と喧嘩でもしたの?」



「…………」



「ねぇ…」





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