クローバー
第3章
1 入院
「茜なんか欲しい物とかある?」
「そんな慌てなくてもいいのに…」
105号室
今日からあたしの病室になる
「次は…」
「お母さん落ち着いてって」
「はははっ」
入院するからと言って、お母さんが朝からずっとこんな感じ
その慌ただしさにあたしは呆れ、看護師の水野さんは笑う
「もう…」
「仕方ないですよ…茜ちゃんのこと心配で落ち着けないんだものね」
病室は個室になっていた
「しっかし…何で個別なんだよ…。別に大部屋でも良かったのになぁ」
「これも両親の愛よ。ふふっ」
水野さんが笑う
「はぁ〜」
ため息が出る